路線価とは?相続税を計算する方法

路線価とは?

相続手続きを進める場合に、相続税の申告が必要かどうかを確認するためには、被相続人(亡くなった方)の財産調査をする必要があります。

預貯金であれば、亡くなった日の残高がそのまま分かります。ここで厄介なのが不動産です。ある土地をかならず同じ金額で買えるとは限りません。

路線価とは、相続税を計算する際に使う土地の時価のようなものです。毎年更新されます。

その土地を欲しいという人がいれば金額は上がりますし、結局は、土地の持ち主と買主が納得した金額が、実際に取引されている金額です。

つまり、持ち主と買主が違えばその金額は変わってしまうわけで、そうなると不動産に対して固定の金額を決めるのが大変なので、国が、統一された基準である路線価等を出しています。

建物は、都税事務所や市役所で固定資産評価証明書という書類を取得すれば、建物の評価額が出ています。

よって、その金額を見れば、建物の現在の金額を調べるのはそれほど大変ではありません。問題は土地で、路線価で評価額を出す必要があります(土地の所在によっては路線価ではなく、倍率方式という場合もあります)。

2016年分の路線価は、全国平均 0.2%上昇(前年比)

2016年7月1日、国税庁は相続税や贈与税の算定基準となる路線価を発表しました。2016年1月1日時点のもので、全国平均では前年比0.2%プラス。路線価が上昇したのは8年ぶり。
アベノミクスの金融緩和政策や円安を理由とする国内外の不動産投資の増加、法人外国人観光客の増加により、14都道府県で上昇したとみられています。ただ、下落した東京都外では下落した地域もあり路線価は地域によって価格が大きく異なります。

ちなみに、路線価が31年連続で1位になったのは、東京・銀座の文具店「鴨居堂」前じゃ

都道府県庁所在地の最高路線価ランキング
1位 東京都中央区銀座5丁目 銀座中央通り
2位 大阪市北区角田町御堂筋
3位 名古屋市中村区名駅1丁目 名駅通り
4位 横浜市西区南幸1丁目 横浜駅西口バスターミナル前通り
5位 福岡市中央区天神2丁目 渡辺通り

標準宅地の対前年変動率の平均値
全国 0.2% 上昇
————————-
上昇率
1位 東京都 2.9% 上昇
2位 宮城県 2.5% 上昇
3位 福島県 2.5% 上昇
4位 沖縄県 1.7% 上昇
5位 愛知県 1.5% 上昇

下落率
1位 秋田県 4.6% 下落
2位 宮城県 2.5% 下落
3位 福島県 2.5% 下落
4位 沖縄県 1.7% 下落
5位 愛知県 1.5% 下落

東京都や大阪府は3年連続、愛知県は4年連続の上昇となりました。一方、下落した都道府県は33県。大都市圏は路線価が上昇し地方は下落するという二極化が継続。東京都は2020年のオリンピックに向けて不動産投資も活発化しており、上昇率2位・3位の宮城県、福島県は東日本大震災の復興事業が進んでいるため路線価が上昇しています。それでは、路線価が上がるとどんな影響がでるのでしょうか?

路線価が上昇するとどんな影響がある?

路線価は相続税や贈与税の算定基準となります。つまり、路線価が上昇すると相続税額や贈与税額も上がってしまうのです。

相続税がかからなかった人も相続税の課税対象に

相続税基礎控除の縮小と路線価上昇のダブルパンチ

2015年1月1日より相続税の基礎控除額が変更になりました。

基礎控除額
3,000万円 + 600万円 ☓ 法定相続人の数

例えば、法定相続人が配偶者(妻)と子ども2人の場合の基礎控除額は、3,000万円+600万円☓3人= 4,800万円。
改正前は同じ相続人の場合、5,000万円+1,000万円☓3人= 8,000万円まで相続税は非課税でした。

3,200万円も変わってしまったのね!
家族が全員、東京に住んでいる私の家は大丈夫かな……

「わが家には相続税は関係ない」と思っている方にも課税対象が広がっています。特に、地価が上がっている東京に土地付き戸建てを持っている方は要注意。

相続税が課税される可能性が高い地域
※ 2014年12月31日までは基礎控除額6000万円(法定相続人1名と仮定)、2015年1月1日以降は基礎控除額3,600万円(法定相続人1名と仮定)の場合
基礎控除改正前後の課税対象者
引用:スタイルアクト

相続税法が改正され、基礎控除額の減額後は、相続税の課税対象が、全国で約4%程度から6%程度に増えると予想されています。この数字は全国平均の数字なので、路線価が高い都内に住んでいる方が課税対象となる割合はさらに増えるでしょう。

東京23区では、4人にひとりが課税対象となるシュミレーションもあるのじゃ

相続税を節税するにはどのような方法があるのでしょうか?

相続税を下げるには?不動産を使った節税方法

相続税を節税するにはさまざまな方法があります。そのなかでも、不動産を活用した方法は相続財産の評価額を大きく圧縮できるので効果的。二世帯住宅や賃貸併用住宅を活用して相続税対策をする方も増えてきています。

二世帯住宅で相続税を節税

二世帯住宅では、「小規模宅地等の特例」を利用することが可能。330㎡(平方メートル)以下の自宅の土地評価額を80%減額することができます。


1億円の土地で、小規模宅地等の特例を適用できる場合、その宅地の相続税評価額は2000万円になるのじゃ。

被相続人(亡くなった方)と一緒に住んでいた家族にとって、住まいのある土地(事業所の土地も含む)は必要不可欠なもの。不動産はどうしても金額が大きいため、この土地に多額の相続税が課税されることになると遺族の負担が大きくなってしまいます。この残された遺族の生活を保護するために設けられたのが小規模宅地等の特例です。

【小規模宅地特例の条件】(居住用)

1. 面積の上限:居住用は330㎡を超えないこと
2. 配偶者が相続
3. 同居している親族が相続

—–(2.3の該当がない場合)——

4. 同居していない親族が相続する場合、相続開始前3年以内は賃貸住宅に住んでいる(持ち家ではないこと)

また、親が老人ホームなどの介護施設に入っていた場合でも、自宅を賃貸住宅として貸出していなければ、居住用宅地として小規模宅地等の特例を活用することができます。

賃貸併用住宅で相続税を節税

小規模宅地等の特例は自宅だけでなく、賃貸住宅の土地でも適用することができます。貸付事業用宅地の場合、減額割合は50%になってしまいますが、それでも相続評価額を半分にできるのは大きな節税となるでしょう。建物のうち賃貸用の部分の土地が減額対象となります。

【小規模宅地等の特例の条件】(賃家用)
1.面積の上限:200㎡以内
2.親族が継続して保有すること

アパート

アパート併用住宅の場合、1/3を自宅、2/3を賃貸として運営していた場合、賃貸部分の2/3の敷地の相続税評価額が50%減額になります。ただし、減額の上限は200㎡(平方メートル)です。


賃貸併用住宅の場合は賃料収入も見込めるので、相続対策の幅が広がるのじゃ

それでは、相続税の評価額はどのように算出されるのでしょうか?路線価を使って出す計算方法をご紹介します。

路線価を使って計算してみよう

実際に路線価の地図を確認してみましょう。この地図は、国税庁のHPで誰でも確認することができます。
>>路線価図・評価倍率表(別のウインドウが開きます)

【具体例】土地:X 面積:100㎡

路線価の例

「620C」と記載されていますので、これは1㎡あたり62万円ということです。「35D」となっていれば、35万円ということです。

所有権を持っている場合は「C」という文字は気にしないでください。もしこの土地に借地権が設定されている場合は、この「C」以外にもA~Gまでのアルファベットがあり、アルファベットの記号によって不動産の評価額が下がります。

 

単純に計算すると、62万円×100㎡=6200万円
その後、以下のような補正率の計算をします。

・奥行価格補正率
・間口狭小補正率
・側方路線影響加算
・二方路線影響加算
・三方路線影響加算
・四方路線影響加算
・不整形地補正率 など

上記の補正をすることで、不動産評価額が4割ほど増減することもあります。仮に4割程度増減するとしたら、3720万円~8680万円なのでかなりの幅が出てきます。

路線価は地域によって異なるため、複数土地を持っている人は要注意

路線価は地域によって金額が異なることは上記で説明したとおりです。このため、先ほどの小規模宅地等の特例を適用する場合、複数の土地を持っている方は注意が必要です。小規模宅地等の特例には土地面積の上限が定められているため、どこの土地を優先して小規模宅地等の特例を適用するのか検討しなければなりません。

はじめての相続で、路線価の計算から、減税措置の特例適用シュミレーションまで行うことは、かなり大変でしょう。不動産はひとつひとつの金額が大きく、相続対策の方法を間違えてしまうと節税効果が大きく減ってしまいます。また、相続税の計算などが間違っていれば、税務署が調査に来て追徴課税などのペナルティを課されてしまう可能性もあります。

気になる方は、相続の専門家へご相談してみてはいかがでしょうか。

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毎年発表される路線価。この価格次第で、相続税も大きく影響を受けることになります。ご実家で土地をお持ちの方は、相続税がかかるのかどうか?確認してみるのもよいでしょう。

タグ: 節税 路線価
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