遺言執行者の選任申立てをする方法

遺言執行者については、以前、やさしい相続対策でもご紹介しました。

【参照情報】遺言執行者とは?遺言執行者の平均報酬はいくら

今回は、遺言執行者を家庭裁判所に選任してもらうときの対応方法についてまとめてみました。

遺言執行者の選任を家庭裁判所に申立てを行うケース

遺言書で遺言執行者が指定されていないとき

遺言書に遺言執行者が指定されていない場合、遺言執行者の選任の手続きを行います。遺言の記載事項を実現するよう動いてくださる方を決めなければ相続手続きを進めることができないからです。


遺言は書いただけではダメなのじゃ。遺言内容を実行してくれる人(= 遺言執行者)の指定を忘れずに

また、遺言作成時に指定した遺言執行者が相続時の状態によっては遺言執行できないこともあるので注意が必要。

遺言書で指定された遺言執行者が亡くなったとき

遺言書で指定されていた遺言執行者が亡くなっている場合も、新たな遺言執行者を選任する必要があります。例えば、交通事故や災害時には、複数人が亡くなるケースも考えられます。
遺言執行者が亡くなってしまった場合は別の方を選任しなければなりません。

遺影

遺言の効力は相続時(被相続人の死亡時)に発生します。遺言書作成時と相続時の状況が異なるケースはよくあります。相続時の状況にあわせて変更手続きを行えば問題ありませんので、心配しすぎなくても良いでしょう。

ただし、「遺言書は作成して終わり」ではなく、遺言の内容を定期的に見直し修正をかけると相続人の負担を軽減できます。遺言書の内容について不安がある方は、一度、相続の専門家に相談してみてはいかがでしょうか?

遺言書を見直したい、作成時のアドバイスが欲しいという方はこちら

遺言書で指定された遺言執行者が破産宣告を受けたとき

遺言執行者が破産宣告を受けたときも遺言執行者として法律行為を行うことができません。

民法1009条
未成年者及び破産者は、遺言執行者となることができない。

遺言執行者は相続財産の管理能力や判断能力が求められます。このため、法的にこの能力が欠如していると認められてしまった場合は、遺言執行者になることはできません。

また、遺言執行者は相続人だけでなく弁護士や司法書士などの相続の専門家や銀行などに依頼をすることも可能。相続の専門知識を持つ人が相続財産の管理を行うため、第三者の視点で公平な相続手続きを進めることができるのがメリット。相続人間でトラブルを未然に防ぎたい方におススメです。

【参照記事】遺言執行者の報酬は?平均報酬のまとめ

それでは、遺言執行者を選任しなければいけない場合、どのような手続きを行えばよいのでしょうか?

家庭裁判所へ遺言執行者の選任を申立てる方法

申立ができる人

相続人、受贈者、被相続人(亡くなった方)の債権者などの利害関係人

申立を行う場所

被相続人(亡くなった方)の最後の居住地の家庭裁判所

必要書類

  • 遺言執行者の選任の申立書
  • 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本、または、除籍・改製原戸籍謄本 ※1
  • 選任を希望する遺言執行者の住民票、または、戸籍附票
  • 遺言書の写し、または、遺言書の検認調書謄本の写し ※1
  • 利害関係を証する資料
  • ※1 申立てを行う家庭裁判所に、遺言書の検認事件の記録が残されている場合は添付不要。検認から5年以内の場合は申立書は提出する必要はありません。


    利害関係を証する書面は、親族であれば戸籍謄本でOKじゃ

    申立書には、申立者などの情報や申立の理由などを記載します。なお、申立書の見本は下記のとおりです。

    家裁申立書1

    家裁申立書2

    引用:裁判所サイト「遺言執行者の選任の申立書」

    不明な点は家庭裁判所へ問合せをすると書き方のアドバイスをいただけます。また、上記以外にも審理のために書類の追加提出が求められる場合もあります。一般的な準備資料としてご紹介させていただきました。

    2017年から、法定相続情報証明書が活用できる可能性も

    2017年5月から相続手続きの簡略化を目的として法定相続情報証明制度が開始予定。遺言執行者の選任を申し立てる際にも、法定相続情報証明書を活用できることが考えられます。これは相続人の情報を証明する資料で、活用することで準備資料を削減することが期待されています。法政相続情報制度は、2017年から運用予定。新着情報が届き次第、またご紹介したいと思います。

    >>もう少し詳しく、法定相続情報証明制度を知りたい方はこちら

    費用

  • 遺言執行の対象となる遺言書1通につき、800円(収入印紙)
  • 資料の郵送費用
  • 遺言書1通につき800円の手数料が必要。収入印紙で納付します。遺言執行を行う遺言書が複数ある場合は、1通ごと800円がかかりますので注意しましょう。なお、収入印紙は郵便局や裁判所内で購入することができます。

    収入印紙以外には、書類のやり取りをするための郵送費用が必要になります。お住まいの場所によって金額が異なるので、詳細は管轄の家庭裁判所へ問合せをしてみましょう。

    手続きの流れ

    1.家庭裁判所へ遺言執行者選任の申立て
    2.家庭裁判所の審判
    3.家庭裁判所から審判の内容を書面で送付

    申立人や遺言執行候補者が家庭裁判所へ出頭することは予定していません。照会書が家庭裁判所から郵送されますので、必ず、迅速に確認し回答するようにしましょう。

    家庭裁判所で審判がおりると、審判内容は申立人と遺言執行者へ送付されます。この審判書は相続手続きで必要になる書類。大切に保管しておきましょう。

    さいごに

    遺言執行者が決まらないと相続手続きを進めることができません。せっかく、遺言があっても遺言の内容を実行できないので相続人にとっても亡くなった方にとっても悲しいことです。今は、自筆遺言で遺言書を作成する方も増えてきました。手軽に自分の想いを遺族に伝えられるので、とても良い傾向だと思います。

    ただ、遺言の形式の不備や遺言執行者の指定を失念した場合は、相続人に余計な負担をかけ、場合によっては遺言の内容通りの手続きを進められないケースもあります。

    せっかく遺言を残すのであれば、相続人にとっても自分にとっても、一番良いカタチで想いを引き継げるよう心掛けたいものですね。遺言書作成や遺言内容の相談も増えてきました。ご家庭の状況によってベストな方法は異なるため、ひとりひとりの事情をお伺いし、相続の専門家としてアドバイスをさせていただきます。どうぞ、お気軽にご相談いただけたら嬉しいです。

    遺言書を見直したい、作成時のアドバイスが欲しいという方はこちら

    それでは、今回は遺言執行者の選任申立ての手続きについてご紹介しました。相続手続きのご参考になれば幸いです。

    >>その他、家族が死亡したときの相続手続きはこちら

    タグ: 遺言執行者
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