ペットの遺言信託と遺贈|ペットと相続手続き

ペットのための遺言

長年連れ添った伴侶をなくし、子どもや孫たちと疎遠になってしまった方が心の隙間を埋めるためにペットを飼うことは、珍しいことではありません。

しかし、ペットより先に飼い主が亡くなってしまったり、病気になったり、体力の衰えから散歩に行けなくなったり、世話することが困難になってしまい”居場所をなくしたペットたち”が増えているそうです。

日本テレビの究極の○×クイズSHOW!!でも、クイズ問題としてペットに遺産は残せるのか?と紹介されていました。

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餌や獣医療の向上から、犬や猫でも20歳くらいまで生きること可能になってきました。
現在では、自分で世話をできなくなった場合のことを考え、次の飼い主や引き取り手について、あらかじめ準備しておく高齢者の方も少なくないそうです。

現在は日本人の4~5人に1人がペットを飼っている状況ですので、このようなニーズは大きくなっていくことが予想されています。

ちなみに日本では、15歳未満の子供の人数よりも犬猫が飼育されている数のほうが多い(2013年11月のデータ)のです。

そのような中で自分の死後、ペットの世話をどうするかという問題は難しい部分もあり
負担付遺贈死因贈与等のいくつか方法がありますがその中の一つの方法が遺言信託という方法です。

今回は、ペットのための遺言信託/負担付き遺贈/遺言書の書き方についてご説明します。

1.遺言信託とは?

遺言信託とは、契約によって特定の誰かに遺言の管理や執行を任せることを言います。

遺言信託のメリットについて詳しくはこちら

ペットの遺言信託というのは、自分が亡くなった場合に財産を信託銀行等に預けて管理してもらい、自分の代わりにペットの世話をしてもらう方法です。

実際に信託銀行等が世話をするわけではなく、通常は遺言の中でペットを世話する人を指定しておきます。

指定を受けた人は、信託銀行等からペットのエサ代等飼育に関する費用や報酬を定期的にもらうことでペットの世話を確実にさせる方法です。

遺言信託は、遺言書で負担付遺贈をする場合と似た形になります。

どちらを選択したほうが良いのか相続と遺言の専門家へご相談することをオススメいたします。
今すぐ相談したい方はこちら

信託銀行では、ペットの信託ができない…

ただし、実際には日本の信託銀行ではペットの遺言信託は扱っていないというケースがほとんどのようです。

また、遺言信託で信託銀行等を利用した場合は、信託銀行等への高額な費用が発生します。
銀行が財産を管理してくれるので安心できるということもあるかと思いますが、ちょっとした手続きをするにも、たくさんの書類を求められたりすることもあるようです。

それを考えると、弁護士、司法書士等、信頼できる専門家のお知り合いがいらっしゃるのであれば、その専門家に遺言執行者となってもらい、負担付遺贈という方法を検討することをオススメいたします。

2.ペットのための負担付き遺贈とは?

法律ではペットは”物”であり、相続人になることはできませんが
負担付き遺贈という方法を使えば「ペットの面倒を見るという条件で(代行者に)遺産を残す」ことが可能です。

※遺贈を受ける人を受遺者と言います(この場合受遺者=代行者)

しかし、負担付き遺贈をしても、代行者が

・遺産だけを受け取って世話をしない
・亡くなった飼い主の家族から「ペットのために家族以外に遺産を残すなんておかしい!」と反対される
・約束を守らずに、ペットを保健所などで処分してしまう

といった問題が生じるケースもあるそうですから
遺言内容をきちんと実行しているか見守り、もし、上記のようなケースに当てはまった場合、遺贈する権利を取り消すことができる「遺言執行者」設定しておくことも重要です。

ペットは生き物ですから、トラブルも多いもの。
代行者が本当に世話をしてくれる人間なのか調べたり、餌をやったり、散歩に連れていく頻度や時間など、事前に細かく話し合っておくことも重要だそうです。

3.ペットの遺言信託のための遺言書の書き方

最近、ペットへ遺言を残したいという相談が増えています。

その理由は、高齢者が増えていて、さらに4~5人に1人はペットを飼っている状態ですので
「自分の死後、ペットのことが心配」という方が多くいらっしゃることが考えられます。

自分の死後、ペットをちゃんと飼育してくれる家族(相続人)がいないという場合に
ペットの世話をちゃんと見てもらう方法としては、遺言を残すことが挙げられます。

遺言の中に具体的にどのようなことを記載すれば良いのか、以下に例を挙げますので参考にしてください。

例)鈴木さん家の愛猫モモちゃんへの遺言書

遺言者:鈴木さん
ペット:モモちゃん
ペットの世話をしてくれる人:田中さん
遺言執行者:加藤さん

遺言書

1、田中に現金300万円を遺贈する。
2、受遺者田中は、遺言者鈴木からの遺贈に対する負担として、遺言者鈴木が飼育してきた愛猫モモを引き取って飼育する。
3、遺言執行者として、以下の者を指定する。

なお、遺言執行者の報酬は60万円とする。
東京都杉並区●●1-1-1
加藤
生年月日 昭和□□年□□月□□日

以上のような遺言の内容を負担付遺贈といいます。

また、遺言執行者もかならず記載しましょう。

例えば、遺言で財産をもらっても実際にはペットの世話をちゃんとしないというケースが考えられるためです。
そんなときに遺言執行者がいることで、遺言執行者が『ペットの世話をちゃんとしなさい』と言うことができます。

それでも、ペットの世話をしないという場合は、遺言執行者は家庭裁判所に遺言の取り消しを請求することができるのです。
遺言執行者は監督する立場になりますのでペットのことを考えるならば、必ず記載してください。

遺言がないと最悪、ペットが保健所等で殺処分されてしまうことも考えられます。ペットの事を思うのであれば、必ず遺言を残すようにしましょう。

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