法定相続情報証明制度とは?戸籍書類の証明書1通で相続手続きが簡単に

2016年7月5日、法務省が「法定相続情報証明制度」(仮称)を2017年度に新設すると発表しました。相続手続きでは書類の準備が大変なことのひとつ。
なかでも戸籍謄本は被相続人の出生から死亡まですべてを集める必要があり、金融機関などへの届け出も各金融機関ごと手続きを行わなければならず、とても骨が折れる作業でした。

法定相続情報証明制度とは、「法定相続情報証明情報」を活用することにより相続手続きを簡略化しようとする制度です。


相続手続きで必要になる戸籍謄本は膨大な量になる。これが証明書1通でOKとは画期的な制度なのじゃ

>> 相続手続きはどんなことをしなければならないのか?はこちら

法定相続情報証明制度とはどんな制度なのか?どんなメリットがあるのかご紹介します。

法定相続情報証明制度とは?

登記所に相続に必要な戸籍謄本などの書類を提出すると、登記所が相続情報を記載した証明書を交付。この証明書を使うことで、金融機関の銀行口座解約や、相続税の申告、不動産登記の名義変更などの手続きをすることができるようになる制度です。

>> 不動産名義変更手続きとは?

>> 銀行口座の解約手続きとは?

「法定相続情報証明制度」という名称も仮称。正式名称はまだ発表されていません。法務省はパブリックコメントを実施したうえで、2017年5月から運用できるよう準備を進めているようです。

法務省の発表した法定相続情報証明書のイメージとしては、下記のような書類です。

法定相続情報証明書

※(クリックで拡大)

相続の情報が簡潔にまとめられ、一目で相続関係を確認することができます。

被相続人の情報

  • 氏名
  • 出生地
  • 住所
  • 出生
  • 死亡
  • 相続人の情報

  • 氏名
  • 出生地
  • 住所
  • 被相続人との関係
  • 相続分の割合
  • 目的

    相続人や金融機関などの負担を軽減

    相続手続き時に必要だった膨大な書類を圧縮することで、相続人や関係各所の負担を減らすことを目的としています。

    相続登記では戸籍謄本などの大量の書類が必要。被相続人(亡くなった方)の本籍と住所地が違っていたり、結婚・離婚・養子縁組等があると収集する戸籍の量も増えます。また、現行法ではこの書類を手続きを担当する窓口に一式提出することが原則。原本が必要な場合は取得手数料も発生しますし、提出資料はコピーでも良い場合であっても大量のコピーを準備するのも一苦労です。

    法定相続情報証明制度では、登記所が発行する相続情報証明書1通で手続きが可能になります。金融機関も、相続税の申告も、不動産の名義変更も、相続に関する手続きがこの証明書1通でできるので、相続人にとっても、手続きを行う担当機関にとっても、断然、楽に手続きを完了することが可能になります。

    相続手続き簡素化イメージ
    引用:http://www.jiji.com/jc/article?k=2016070500470&g=soc

    ※(クリックで拡大)

    相続登記を促し、所有者不明の不動産を解消

    相続登記の手続きの負担が大きいために放置されていた所有者不明の不動産を増やさず、空き家問題などこれから増えていく相続不動産問題を解消していくことを目的としています。

    現在、相続登記には手続き期限がありません。このため、相続した不動産を名義変更せず、そのまま放置されてしまうケースが多いのです。

    名義変更登記手続きを行うにも準備書類など手間がかかります。家族が亡くなったときには他にもやるべきことがたくさんあるので、そのまま相続登記を行わずに放置。その後、さらに相続が発生。孫、ひ孫世代まで不動産の所有者が移り変わってしまうケースも少なくありません。不動産が相続人の共有名義になっている場合、すべての相続人の同意と必要書類を集めるのは膨大なエネルギーを要します。

    相続人のうち一人でも反対すると、変更登記をすることができないのよね

    不動産登記の名義変更をしていない期間が長ければ長いほど、相続人の数は増え手続きが複雑化します。高齢化社会にともない、認知症等を患っている相続人がいれば成年後見人を選任し、相続手続きを進める必要もあります。

    相続登記がなされないと、不動産の権利関係が第三者にはよくわからない。不動産取引きがしにくくなってしまい大問題じゃ……

    いつから施行されるの?

    2017年5月より運用予定として準備を進めているそうです。法務省は現在パブリックコメントを募集している段階。正式な制度概要の発表はもう少し時間がかかりそうです。

    法定相続情報証明制度のメリット

    相続手続きに際して、準備資料が簡略化できることです。取得費用、準備の時間ともに節約でき、相続人にとっても関係各所にとっても便利な制度です。

    法定相続情報証明制度のデメリット

    今のところ、利用者にとってデメリットはなさそうです。ただし、法定相続情報証明制度が施行されても法定相続情報証明書が世間一般に広まらないと、手続きに時間がかかってしまう可能性もあります。これも制度がスタートする時期の一時的なものなので、特に心配はいらないでしょう。


    2017年の法定相続情報証明制度が楽しみじゃ!

    法定相続情報証明制度の最新情報は、引き続きチェックしていきます。相続手続きが簡略化できる便利な制度なので、ぜひ、有効に活用していきたいですね。

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