死亡退職金や弔慰金による節税方法
記事の最終更新日:2016年06月22日
カテゴリ:相続税
死亡退職金については、相続人1人あたり500万円。
弔慰金(ちょういきん)については、役員報酬月額の3年分または6ヶ月分が非課税対象となっています。
もし、被相続人が同族会社(出資金や株式の一定以上を親族間で所有している会社)の役員等であれば、死亡退職金と弔慰金を支払うことによって、相続税と法人税の節税をすることが可能です。
もくじ
死亡退職金で相続税を節税
死亡退職金が支払われ、それを受け取った遺族がいた場合、死亡退職金は相続によって取得したものとみなされるため、相続税がかかることになります。
しかし、退職金には非課税枠が規定されていて、受け取った退職金の合計のうち、500万円×法定相続人の数については相続税がかからなくなっています。
生命保険の非課税枠と同様、こちらを利用しない手はありません。
【関連記事】相続対策には生命保険の非課税枠を利用しよう
弔慰金で法人税を節税
弔慰金が支払われた場合、下記の条件を超えて支給された金額については退職金として支給された取り扱いがされることになりますが、弔慰金についてはすべて非課税です。
・業務上の死亡であれば、役員報酬月額の3年分
・業務以外の死亡であれば、役員報酬月額の6ヶ月分
会社は株式評価額が下がる
退職金や弔慰金を支払った会社は、相続税法上の株式評価額を下げることができます。
退職金や弔慰金というのは、負債として資産価額から差し引くことができるので、純資産価額方式で評価されている会社は株式の評価が下がることになるのです。
株式評価額が下がれば、事業承継などがしやすくなりますので、こちらもうまく利用できます。
なお、支払った退職金や弔慰金というものは、原則、会社の経費となりますので、最低でも非課税限度額までは支払うべきです。
それ以上の支払いをする場合は、会社の収益やその他の支払いなどによっても変わりますので、専門家のアドバイスを求めることをおすすめします。
退職金・弔慰金支払い時の注意点
①退職金と弔慰金の支給規定をあらかじめ作成しておくこと
死亡してから支給規定を作るのは不自然です。あらかじめ作成しておくようにしましょう。
②多額の退職金は支払わないこと
あまりに高額な退職金を支払ってしまうと、会社の経費として認められなくなってしまうため注意が必要です。
③死亡後3年以内に退職金の支払いを確定すること
3年以上経過後に支払われた退職金というのは、遺族に一時所得としての所得税かかかることになってしまいます。
さらに、会社側も退職金を負債として資産価額から差し引くことができなくなってしまうので、3年以内の支払いをするようにしましょう。
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記事の最終更新日: 2016年06月22日